バリューチェーンだけではない。
サービスプロセスを分析するときに注意すべきこと
サービスプロセス分析を行うにあたって、最近は「カスタマージャーニーマップ」を作ろうということを聞きます。
バリューチェーンという考え方がベースになっているものと思いますが、
この考え方には、注意すべきことがあります。
基本的に、対象者の行動をベースに組まれるからです。
例えば、お客さまが入店してから退店するまでですが、
入店 → 席への案内 → 注文 → 食事 → 会計
という流れがあるかと思います。
それに対して、店として何ができるかということを考えると思うのですが、
これはプラスの価値だけを考えることになりがちです。
前の行為から次の行為に移行するにあたっては、プラスの価値だけでなく、マイナスの価値もあれば、制約条件が発生することもあります。
IDEF0(アイデフゼロ)という考え方
プロジェクトマネジメントの世界に、IDEF0というモデリング手法があります。
基本的にはプロセス分析なので、上記と変わらないのですが、特徴として、
行為に対して、インプット情報、アウトプット情報、制約条件、メカニズムという概念があります。
席への案内という行為があったとき、
入店から下記の情報がアウトプットとして出てきます。
- 人数
- 禁煙・喫煙の希望
- 一緒の席がいいか、別々でいいか
こういったことが、前の行為から出てきて、次の行為の制約条件となります。
禁煙・喫煙を選ぶことは昔はできなかったと思いますが、
今では、分煙は当たり前。
ただただ、プロセスを並べるだけでは発想し得なかったと思うのです。
サービス設計をするにあたって
サービス設計をするにあたっては、行為だけにフォーカスするのではなく、その行為に求められていることはなにか、それを提供できるメカニズム(店のリソース)はあるか、
その行為によって生まれる制約条件は何か
といったこともセットで考える癖を付けるといいと思います。
そのためにも、バリューチェーンとかカスタマージャーニーとかだけではなく、
IDEF0の考え方を身につけると、良いと思います。